RSウイルスとRSウイルス感染症

RSウイルスとは?感染した時の主な症状

RSウイルスとは?

RSウイルスは、いわゆる「かぜ」の原因となるウイルスのひとつで、1歳までに半数以上、2歳までにほぼ全員が感染するといわれています1)
大人が感染した場合には、鼻かぜ程度で済むことが多いのですが、小さな子どもが感染すると重症化することがあります2)

  • いわゆる「かぜ」の原因となるウイルスのひとつ
  • 1歳までに半数以上、2歳までにほぼ全員が感染する1)
  • 乳幼児が感染すると重症化することがある2)
  • 1)

    Glezen WP, et al. Am J Dis Child. 1986; 140(6): 543-546.

  • 2)

    Rossi GA, et al. Eur Respir J. 2015; 45(3): 774-789.

RSウイルス感染症の症状1)

RSウイルスに感染すると、発熱や鼻水、せきなど「かぜ」のような症状が出ます。
重症化して炎症が下気道におよぶと、細気管支炎や肺炎になり、入院に至ることもあります。

発熱や鼻水、せきなどの普通のかぜのような症状

細気管支炎や肺炎
  • 呼吸が浅く、呼吸数が増える
  • ゼイゼイ・ヒューヒューとした呼吸
  • 鼻で息をするようになる
  • 哺乳ができなくなる
入院に至ることもある
  • 1)

    米国小児科学会 編. 岡部信彦 監. 最新感染症ガイド R-Book2018-2021. 日本小児医事出版社. 令和1年

  • 2)

    牛木辰男, 小林弘祐 著. カラー図解 人体の正常構造と機能Ⅰ呼吸器 第4版. 日本医事新報社. 令和3年

呼吸器系の構造2)

RSウイルス感染症の症状_イラスト

下気道(気管、気管支、細気管支)、上気道(鼻孔、咽頭、口腔、喉頭)肺、肺胞 RSウイルス感染症による重症化と入院

RSウイルス感染症が重症化しやすい子ども1、2、3)

特に予定日より早く生まれた子ども、生まれつき呼吸器や心臓に病気をもっている子ども、免疫不全を伴う子ども、ダウン症候群の子ども、肺低形成を伴う子ども、気道狭窄を伴う子ども、先天性食道閉鎖症の子ども、先天代謝異常症の子ども、神経筋疾患の子どもはRSウイルス感染症が重症化しやすかったと報告されています1、2、3)。お子さまのリスクや気になることについては、医師にお問い合わせください。

  • 予定日より早く生まれた子ども(早産児)
  • 生まれつき呼吸器や心臓に病気をもっている子ども
  • 免疫不全を伴う子ども
  • ダウン症候群の子ども
  • など
  • 1)

    Boyce TG, et al. J Pediatr. 2000; 137(6): 865-870.

  • 2)

    Wang EE, et al. J Pediatr. 1995; 126(2): 212-219.

  • 3)

    Bloemers BL, et al. Pediatrics. 2007; 120(4): e1076-e1081.

乳児のRSウイルスによる入院

RSウイルスは、小児の細気管支炎および肺炎の主な原因であり、急性呼吸器感染症の原因としては、小児では約60%、1歳未満児では約80%を占めると世界保健機関(WHO)は推定しています1)
生後12か月未満のおよそ1~3%の児がRSウイルスによる下気道疾患によって入院し、その多くが6か月未満の児です2)

  • 小児の細気管支炎および肺炎の主な原因1)
  • 急性呼吸器感染症の原因としては、小児では約60%、1歳未満児では約80%を占める1)
  • 生後12か月未満のおよそ1~3%の児がRSウイルスによる下気道疾患によって入院する2)
  • 1)

    Piedimonte G, Perez MK. Pediatr Rev. 2014; 35(12): 519-530.

  • 2)

    米国小児科学会 編. 岡部信彦 監. 最新感染症ガイド R-Book2018-2021. 日本小児医事出版社. 令和1年

RSウイルス感染症の治療と予防

RSウイルス感染症の治療と予防

現在、RSウイルスに対するワクチンはありません。また、RSウイルス感染症を治療する薬はなく、かかった場合は、症状を緩和させるため、必要に応じて酸素投与や点滴など、対症療法が行われます1)
日ごろから予防をすることが大切です。

  • ワクチンはありません
  • 治療薬はなく、必要に応じて酸素投与や点滴など、対症療法を行う
  • 日ごろからの予防が大切

RSウイルス感染症に気を付けましょう

赤ちゃんへの感染を予防するために、次のことに注意しましょう。

かぜをひいている人との接触を避ける

かぜをひいている家族は、家庭でもマスクをする、部屋を分けるなど、赤ちゃんにうつさないようにしましょう。
大人にとっては軽いかぜでも、赤ちゃんにとっては重い症状を引き起こすことがあります。

身の回りのものの清潔を心がける

赤ちゃんが触ったり、口に入れたりするものは、アルコールティッシュで消毒するなどして、常に清潔にしましょう。また、オムツの処理をきっちりしましょう。

手洗い、うがいの励行

外出から帰ったら、石けんで手をよく洗いましょう。また、うがいも心がけるようにしましょう。

RSウイルス感染症の流行

RSウイルス感染症には、流行時期があります。流行は、年や都道府県によって異なります。
今どのように流行しているか知ることは備えに役立ちます。
RSウイルス感染症の最新の流行情報は、SmallBaby.jpのサイト内でご確認いただけます。
毎週更新・掲載している「全国・各都道府県の流行情報」をご覧ください。

全国の流行状況

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監修:長谷川 久弥 先生
東京女子医科大学附属足立医療センター 新生児科 教授